知られざる小数民族

彼らは主に政治犯の子弟で構成され、社会的な身分は真に最下層。居住地も農地に適さない特定の山野に限定された。

彼らの社会的な存在価値は周辺住民のストレスの低下に集約される。例えば現存する資料によると、「一族の男子は理由なく他の者に暴力を振るわれても、不満を持ってはならない」「女子はいつ、いかなる場所で肉体を要求されても、抵抗してはならない」などのルールが存在していたことがわかる。

また、男子に多かったようだが要求がある場合は「女装などの奇異な扮装で舞を踊り、場を盛り上げる」などの屈辱も受けた。これは特に多くの人々の前で恥をかかされる、という意味で「輪恥」（リュン・チー）と呼ばれた。
現代においても圧倒的多数の人間が少数、あるいは一人の人間に一方的な暴力を振るう宴のことを「リンチ」と呼ぶのはこれに由来している。

この一族は一目でその出自が知れるよう、顔の全体に砂を塗ることを義務付けられた。その他、水を汲む時に壷を使用することを禁止されていたため、動物の革で作られた袋を常時携帯していた。
このことから現代で言う「リンチ」は「砂にする」「フクロにする」などの別称もある。

（民明書房「中華思想〜その光と闇〜」より抜粋）
民明書房かよ！（自分ツッコミ）