登場人物 カズヤ 胸に七つのラヴを持つ男。伝説の暗殺拳の継承者。前回、タツヤの凶拳の前に倒れる。 タツヤ カズヤの兄であり、同時に最強の強敵(とも)。自称「拳王」。巨人症というハンデを背負って生きる。ミナミ カズヤとタツヤの隣に住む幼な馴染み。2人の求愛に正直ウンザリしている。
ミナミが霊安室の重いドアを開けると、正面のベッドにカズヤが横たわっているのが見えた。
「綺麗な死に顔をするものだ。まるで眠っているようであろう・・・。」
ふいに背後から声をかけられ、瞬時に振り返る。
「たっちゃん・・・。」
「タツヤはすでに死んだ!ここにいるのは拳王ただ一人!俺をたっちゃんなどと呼ぶな!」
そう言うと、タツヤはミナミを文字通り「握り締めた」。
「ふぁはははは!ミナミ!貴様がどんなに汚れようとかまわぬ!最後にこの拳王の側に居さえすればそれでよい!」
自分の物にならなければこの場で殺す、と言外に言い放つ。
その時! 「ほぅわたぅ!」 怪鳥の鳴き声のようなかけ声が狭い霊安室に響いて、タツヤの兜が割れ落ちる。ミナミも、そしてタツヤもその声の主が誰であるか、よく知っている。 『カズヤ!』ほぼ同時に頭にその名が浮かぶ。果たして、2人が振り向くと先程まで永遠の眠りについていたはずのカズヤが立ち上がって、ベッドの上で戦闘の構えを取っていた。 当然、いつの間にやら上着は弾け飛んでいる。 タツヤとの戦闘中、カズヤが自ら秘孔を突き、いままで仮死状態になっていただけだと知っているのはこの時点でカズヤ本人だけである。 「タツヤ・・・決着をつけよう。今、北斗5000年の因縁を断つ!」 そう言うとカズヤは柳のように上体をうねらせた。この動きは!そう!「最終奥義『夢想転生』・・・。」 タツヤが苦々しげにうめく。
時代の激流も終末点が近づいている。それをミナミは感覚で悟り、身を小さく震わせた。 つづく(嘘) |
・指一本でできるボランティア。↓押して行きなさい。連射禁止。
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