『元気出していきましょう。鬼畜ライフの巻』

髭を剃り、靴下の匂いを嗅いで、仕事に行く。
車内は俺が唯一誰にも邪魔されない場所。熱唱に次ぐ熱唱。朝から喉を潰す。

今日は中国から荷物が届く日なので久しぶりに力仕事。
コンテナ一杯に詰まった荷物を次々と降ろす。
コンテナの中は汗と油の混じったような匂いで充満している。なにげに「中国人臭い」と呟くと女子社員から「差別だ」と批判を浴びた。
実際そうじゃん。ヤツラもどうせ日本人の体臭についてアレコレ言ってるさ。男性社員にはややウケ。

コンテナの中の荷物が減ってきて、向こうの壁が見えるようになった。
７〜８文字の落書きが書いてある。赤いスプレーで。明らかに中国語なので当然読めないながら、知ってる漢字もいくつかある。
「日本」「弟」「朝鮮」
確かに全然わからないが、なんとなくわかってしまったので軽くブルーになる。

そうこうしてる間に仕事終了。この頃になると朝潰れた喉は治ってくる。しかし当然帰りの車中で再び潰す。

家に帰り、飯を食い終わると「鬼畜ｈｏｕｓｅ」を書いてみる。
大体３０分前後。
左手の小指だけ使ってタイプしてみるとか、ウンコ我慢してのタイムトライアルとか、常にチャレンジ精神は忘れない。
書き終われば、もう何もしない。たまにCDを変えるくらい。
最近飲みに出る回数も減った。平和で、孤独な時間がただ、流れて行く。

流れて行く。

流れて行く。

いいくらいの時間に小鳥のように眠る。両手は股に挟んで横たわるのが俺流。