ダルーンファイト

「さあ、やってまいりました。ダルーンファイト国内予選準決勝第２試合！実況は私、大友と解説は美濃部実行委員長でお送りします。美濃部さん、この試合も健常者同士の戦いですが、３年前に健常者の参加が認められてから、格段に試合のレベルが上がって来たように思えるのですが。」

「そうですね。マスコミの悪影響のせいで障害者にもポジティブな人が増えて、全体的な選手の質も落ちて来ていましたから、いいタイミングのテコ入れでしたね。」

「さあ、今日の試合に勝って無敗のチャンプ『日本一のネガティブ障害王』こと琢磨選手に挑戦するのはどちらか！」

「彼が去年の試合中に漏らした『動けないから、一人じゃ自殺もできない・・・』は印象的でしたね。」

「おおっと！そうしている間に選手の自宅の盗撮映像が届いてまいりました。これは、浅生選手の映像ですね。公平を期すため、選手には自分が選手であることを隠してあります。」

「浅生選手の得意技『オナニー後の罪悪感』はかなりの高ダルーンですよ！今年期待の選手です。」

「加納選手の映像も届きました！それでは試合開始です！彼は去年惜しいところで敗退したんですよね。」

「そうです。加納選手の弱点は、ついポジティブに走りがちなメンタル面での脆さですね。去年の試合ではコンビニに寄ったついでに求人情報誌を立ち読みしたことが、ポジティブと審判団に判定され、失格になりました。しかし、彼も先週女性にふられたばかりですから、パワーアップしてると思いますよ。」

「なるほど！手元の資料によると『このウジムシ！』と言われて張り手を食らったそうですね。これは期待大です。さあ今長い長い戦いの火蓋が切って落とされました！」