ダラダラと今日起こったことでも書こうか。
近所に住む重じいは今朝も早起きで雪かきをしている。 「よお、鬼畜よ。今日も元気だっぺな。」
俺は重じいに笑顔で応える。
村の中心にある広場までタロと駆けるのが俺の日課だ。
しかし、今日ばかりは違った。すでに村の人間が何人か集まって輪を作っていたのだ。
ゆうべから山に猟に出ていた父がなぜここに? 「おとう!おとう!一体、どうしただ!」 「おお・・・鬼畜か。」 虫の息、というのはこれか。こんな関係ないことまで考えてしまうほど混乱していた。 「わしらが駆けつけたときにはもう・・・。」 「鬼畜や、気を落とすんじゃないよ。」 村人たちが口々に言うが耳には入らなかった。 「トラカブトだ・・・。トラカブトにやられた・・・。」
トラカブト!この名を聞いた村人全てが凍りついた。 しかし。トラカブトは確か山奥にある神仙谷に落ちて死んだと聞いていたが・・・。 「間違いない・・・。あれはトラカブトだ。トラカブトなら、グリズリー心臓の下にグリズリー嚢がある・・・。そこにスペシウム光線を叩き込め。それがやつの弱点・・・。」 ようやくそれだけを言うと、父は事切れた。 死の瞬間まで父は猟師だった。それがなんとなく誇らしくもあった。 毎日が必要以上にドラマティック。 |
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