「あ・・・鬼畜、こっちこっち!」 「おう、久しぶり。まったく、杉本って名前で予約してないから間違えちまったよ。」 「やあね、旧姓で予約入れるワケないでしょ。ふふ。」 「まだお前が結婚したの、慣れなくてね。」 「もう一年以上経つんだから、いい加減覚えてよ。」 「すっかり主婦だもんな。見たら結婚したの思い出すよ。あ、俺はターキーをロックで。」 「あー、ひどい。それって褒めてないよね?」 「まあ、元気そうでなによりだよ。幸せそうじゃん。」 「んー・・・まあ、そうかな?でも・・・よくわかんないや・・・。」 「・・・・。」 「あ。」 「ん?なに?」 「窓の外。鬼畜、まだあの原付乗ってるんだ。」 「戦友みたいなもんだしな。いい加減寿命だとは思うんだが、手放せなくて。」 「いまどき流行らないよ、そういうの。」 「やかましい。こういうのは流行りとか廃りとか関係ねえの。」 「あは。でも、鬼畜は変わらないよね。そういうのって・・・なんか、いいな。」 「いやあ、変わったと思うぜ。『おとなのふりかけ』、好物になったし。」 「アハハ。なにそれ?バーカ。」 「あ。でも、たまにさ、小学校時代の同級生とか街中で声かけてくんのよ。『鬼畜でしょ?久しぶり〜!』とか言って。俺の方はお前なんか覚えてねえっての。ああいう時なんかは俺って成長してねえからわかっちゃうのかな、とかは考えるね。」 「あたしはそういうのって、ないな・・・・学生時代と随分変わっちゃったもんね。髪なんかもう気にしてらんないしさ。見てよこの手の洗剤荒れ。もう・・・すっかり主婦でさ。」 「お前は・・・まあ、そんなに・・・・変わってないと思うぜ。」 「え〜?さっき『すっかり主婦』だって言ってなかった?」 「いや、ほら、程度の問題で。この前佐藤を見かけたんだけど・・・覚えてる?佐藤のエッチャン。」 「うん、覚えてる覚えてる。」 「あいつ『うちの家系にハゲはいないから俺は絶対ハゲない』とか言ってたじゃん。それがもうツルンツルンで。腹回りなんかも・・・こう、な。」 「へえ〜!見てみたいなあ。」 「だから、さ。他の連中に比べりゃ、お前はそんなに変わってねえって。」 「・・・うん。うん・・・鬼畜、ありがとね。」 というような会話をしてくれる女子、大募集。3万円までなら、出す。 |
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